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三重県の限界集落の前提としての限界自治体の現状 「限界集落」を提唱した大野晃は、その分析の最初に、全国の自治体単位における 人口規模とその増減、高齢化率とその上昇を詳細に分析した上で、「限界自治体」を「65 歳以上の高齢者が自治体総人口の半数を超え」るものとして定義し、「税収入の減少と 老人福祉・高齢者医療関連の支出増という状況のなかで財政維持が困難な状態におか れている自治体」として捉えている (注 1) 。それを踏まえて、本稿は三重県における 「限界自治体(地区)」の現状を検討し、その今後を展望するものである 大野が国立社会保障・人口問題研究所による人口推計結果に基づいて分析したとこ ろ、限界自治体は 2000 年には中国地方に一つ見られるだけであるが、2015 年には 51 自治体、2030 年には計 144 自治体が限界自治体となり、全自治体数に占めるその割合 は 2015 年で 1.6%、2030 年で 4.4%を占めることとなる (注 2) 。そのうち、2030 年 時点での三重県における限界自治体は美杉村、飯高町、南島町、紀勢町、紀和町の計 5 自治体と予測されている。 三重県内においてこの 5 自治体の占める割合をみると、当然、総人口ではその占め る割合は小さいが、これをその総面積でみた場合、計 762.5 平方キロメートルとなり、 県面積の 13.2%を占めることとなる。このことからも、限界自治体(地区)が環境に占め る影響は、決して少なくない
 
5地区における高齢化・人口減少の将来推計結果 まず、三重県における合併後の限界地区の高齢化、人口減少の将来推計結果(注 3)を 検討する。具体的には津市美杉地区(旧美杉村)、松阪市飯高地区(旧飯高町)、南伊勢町 南島地区(旧南島町)、大紀町紀勢地区(旧紀勢町)、熊野市紀和地区(旧紀和町)の計 5 地 区である。うち、津市美杉地区(旧美杉村)と松阪市飯高地区(旧飯高町)については、合 併後の地区別の人口推移がホームページにて公開されているので、第 6 節以降、より 詳細に検討する。 5つの地区を比較すると、2000 年時点以降、2030 年時点まで一貫して最も高齢化率 が高い地区は熊野市紀和地区である (表 1、図 1) 。熊野市紀和地区は 2005 年には早 くも高齢化率が 50%を超え、限界地区となっているとみられ、むしろ高齢化率のピー クは 2020 年の 55.1%と予測されている。次いで高齢化率が高いのは津市美杉地区で、 2015 年以降、限界地区化し、この地区もそのピークは 2020 年の 51.6%とみられてい る。第 3 位は大紀町紀勢地区で、2020 年以降、限界地区化し、2025 年と 2030 年はと もに 50.9%の高齢化率が見込まれている。また松阪市飯高地区と南伊勢町南島地区は、 ほぼ同様の高齢化率の推移が見込まれており、2030 年に向けて一貫して高齢化率は上 昇していく。その結果、ともに 2030 年に高齢化率は 50%を超えるという予測となっている
紀和町は熊野市と合併し熊野市の一部となった。2000 年国勢調 査結果では紀和町の人口は 1742 人、高齢化率は 49.7%であるのに対し、旧熊野市の人 口は 20898 人、高齢化率は 28.3%であった。人口比では紀和町は旧熊野市の 8.3%であ り、高齢化率では紀和町が旧熊野市より 21.4 ポイント高い。 類型 3 として南島町は南勢町と合併し南伊勢町となった。2000 年国勢調査結果では 南島町の人口は 7969 人、高齢化率は 32.5%であるのに対し、南勢町の人口は 10266人、高齢化率は 30.1%であった。人口比では南島町は南勢町の 77.6%であり、高齢化 率では南島町が南勢町より 2.4 ポイント高い。 同じく類型 3 として紀勢町は大宮町、大内山村と合併し大紀町となった。2000 年国 勢調査結果では紀勢町の人口は 4488 人、高齢化率は 32.3%であるのに対し、大宮町の 人口は 5242 人、高齢化率は 28.3%であった。人口比では紀勢町は大宮町の 85.6%であ り、高齢化率では紀勢町が大宮町より 4.0 ポイント高い。 限界自治体の総人口、高齢化率の面での合併相手とのこれらの地域差をみると、高 齢化率が高く、総人口が小さい自治体ほど、自らと差の大きい自治体と合併している 傾向がうかがえる。
 
津市美杉地区(旧美杉村)における高齢化と人口減少に関する合併効果 第2節で述べたように、合併による旧限界自治体の高齢化、人口減少の改善の有無 を検討するには、合併後の地区ごとの人口データが必要だが、これら旧 5 限界自治体 のうち、合併後、地区別の人口データをホームページ等で公表している自治体は津市 と松阪市のみである。よって検討できるのは、旧美杉村(津市美杉地区)ならびに旧飯高 町(松阪市飯高地区)のみである。 先の合併類型に従えば、美杉村と飯高町を採り挙げることにより、類型 1「村と市」、 類型 2「町と市」の 2 つの類型を検討することとなる。 まず 2006 年 1 月 1 日に合併によって津市美杉地区となった旧美杉村の人口推計結果 と合併後の人口の実績値とを比較して、美杉村にとって津市との合併が、総人口、ま た高齢化の面でプラスであったのか否かを検討する。 旧美杉村を単位とする最後の人口推計の結果は、2000 年国勢調査結果である総人口 7158 人、高齢化率 38.2%をベースとして、2005 年に総人口 6450 人、高齢化率 43.3%、 2010 年に総人口 5810 人、高齢化率 47.2%、2015 年に総人口 5238 人、高齢化率 50.6%、 2020 年に総人口 4661 人、高齢化率 51.6%、2025 年に総人口 4116 人、高齢化率 51.2%、 そして 2030 年には総人口 3628 人、高齢化率 50.4%となることが予測されている
これを 2000 年時点での高齢化率を 100 とする高齢化指数で示すと、2005 年 113.3、 2010 年 123.6、2015 年 132.5、2020 年 135.1、2025 年 134.1、そして 2030 年には 132.0 となる。また同様に 2000 年時点での総人口を 100 とする総人口指数で示すと、2005 年 90.1、2010 年 81.2、2015 年 73.2、2020 年 65.1、2025 年 57.5、そして 2030 年に は 50.7 となる

※内容に関しては地域ごとのデータベースや情報誌、wikipediaより抜粋して使用しておりますので変更や誤りがある場合がございますので予めご了承下さい。


 

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